〜パイプオルガンを弾いてみたい〜

2005.6改訂

パイプオルガンが演奏される機会は増えましたが、まだまだ、どんな楽器で、どのように演奏されるのか、多くは知られていません。
演奏という視点から素朴な疑問と基本的な楽器の扱い方をご紹介します。
なお、このページはWeb担当者がオルガンを初めて間もない頃を思い出して、連載しているものです。
たぶんに素人的、あるいは説明が不足なところもありますが、徐々に改訂していきたいと思います。

どんな服装や靴が必要ですか
ペダル鍵盤のあるパイプオルガンを演奏する際には、スカートよりパンツの方が動きやすく、ペダルの位置の確認もしやすいです。
また、かかとにある程度の高さがあって、靴底が革でできたすべりやすいオルガンシューズを履きます。
オルガンシューズは銀座ヨシノ屋靴店(価格2万円前後、各店舗で取り寄せ可)や、パックスアーレン、黒田オルガンなどで購入することが出来ます。

一般の革靴でも代用はできますが、ゴム底は適しません。

銀座ヨシノ屋オルガンシューズ(紐は交換済み)
どこで教えてくれますか
音楽ホールや大学などでオルガンの講座を開いているところが増えてきています。個人や民間団体、教会などでレッスンを行っているところもあります。
いきなり実技講習ではなく、聴講などから初めて見るのもいろいろな方から情報を得られることもあるでしょう。

ホールでのオルガンは簡単に演奏できるのでしょうか
練習のためのオルガンを貸してくれる自治体もありますが、オルガニストの推薦状やホールのパイプオルガンを演奏するには専門家の立ち会いなど様々な条件が必要になることがあります。
オルガンを初めて間もない状態では、コンサートホールでの練習や演奏は困難だと思われます。
ポジティフオルガンのある練習室の貸し出しや電気オルガンのある音楽スタジオなどもあります。
最近は、日本国内、国外のメーカーから電気オルガンが販売されています。
決して安いものではありませんが、個人で所有している人も増えています。

楽譜はどこで売っていますか。
小さな規模の楽譜販売店ではパイプオルガンの楽譜の在庫は少ないでしょう。
大きな店舗の楽譜店やアカデミアなどの輸入楽譜を扱っているお店で購入できます。
通信販売も行っている出版社や楽譜店もありますので、ホームページなどで調べてみましょう。
基本的なオルガンの取り扱い方を教えてください。
一口にオルガンといってもリードオルガン、ポジティフオルガン、大きなホールのオルガンなど様々なものがあります。
非常に基本的な楽器の取り扱い方をアトリオン音楽ホールの第三練習室のポジティフオルガンを例にご案内します。
ドイツ・ボッシュ社製ポジティフオルガン
2段手鍵盤+足鍵盤
パイプ数324本 ストップ数7
.Manual C-g'''
Holzgedackt 8'
Rohrflote 4'
Principal 2'
II.Manual C-g'''
Regal 8'
Holzgedackt 4'
Quinte 1 1/3'
Pedal C-f'
Sordon 16'


I-II,I-P
Mechanical action
平行ペダル

まず、手を洗い、オルガンシューズに履き替えましょう。
楽器の上で消しゴムを使うと、内部に消しかすが入り込み故障の原因になります。
土足や消しゴムの使用は厳禁です。


この楽器の場合は、電源が手鍵盤の部分に2カ所あります。
手鍵盤とペダル鍵盤のストップです。
電源を入れただけでは音は出ません。
この楽器の場合は、ストップを引っ張ります。
どのストップを使用するかは、曲や奏者によって異なりますが、最初は8'(8フィート)の音を使用して、練習するとよいでしょう。

足鍵盤のストップは第一鍵盤のカプラーと16フィートの二つのストップがありますが、左の溝に引っかける構造になっています。







電源の上にシャッターを閉める取っ手があります。
これを左右に動かすことで、パイプの前の扉が開け閉めされ、音量を調整します。

最初の段階で、シャッターの操作までは必要ないでしょう。
シャッターの調節はスウェルペダルという足で行うオルガンも多いのですが、演奏後は必ず、シャッターを開けたままにします。
なお、バッハなどのバロック音楽ではスウェルペダルの操作は使用しません。

ピアノなどの鍵盤楽器とどんな点が異なりますか。

パイプオルガンは管楽器の要素を併せ持つ鍵盤楽器です。
ピアノは弦をハンマーでたたくことによって、音を発しますが、パイプオルガンはパイプに空気が送られて、それぞれのパイプが音を発します。当然ながらタッチや奏法も異なります。

また、楽譜の面でピアノと大きく相違することは、足鍵盤の演奏が記載された3段楽譜であることです。(もちろん、ペダルのない曲もたくさんあります)。
最初は、少し戸惑いますが、練習していくにつれ3段同時に見ることができるようになり、両手両足を駆使して演奏することができるようになります。

容易に弾けない箇所は手鍵盤だけ、右手と足だけ、左手と足だけ・・・と、繰り返し練習しましょう。

足鍵盤は、エレクトーンのように左足だけで奏するのではなく、両足を使用します。

基本は両足のつま先を交互に使用しますが、音符の数が増えたり、奏法によってはかかと部分も使用します。

その他、オルガンには複数の手鍵盤もあり、どこの鍵盤で弾くのか指定されていたり、記譜されていないことでもその作曲家や年代、曲、楽器に合わせて適切な奏法をする必要があります。

同じ楽譜でも楽器や奏者が違うと、使用されるストップは異なり、奏者自身での解釈、研究が必要になります。
とても難しいことですが、オルガンを演奏するということの重大な要素です。

オルガンという楽器の詳細はこのコーナーでは取り上げませんが、パイプオルガンが設置された音楽ホールやビルダーのホームページでは、近年、詳細な楽器の情報や演奏台の写真が掲載されるようになりました。
リンク集で紹介していますので、ご覧ください。