The back door Lecture
絞りたてのフィールド情報は[FF-WebLog][BDLFF-BBS]にもあります!
●フライフィッシング(以下FF)というと、優雅な釣りだと思っている方も多いはず。ところが、これは完全なゲームスポーツ。湖や海(海でもやるのだ)では、あまり動き回ることもないが、川や渓流では1キロは歩く。その間、ロッド(竿のことね)は常に前後に振られている。2、3日は肩が回らないほど疲労する。そしてその間、ずっとラインやフライ(いわゆる毛ばりのこと)がマッチしているか、どこに魚がいるか、を考えつづけている。バス釣りなどのルアーフィッシングと似ているが、複雑さからすると雲泥の差がある。だからといって賢い釣りなどではない、むしろアホか変人のする釣りなのである。だってほんとうに釣れない釣りなのである。釣れる状況の方が珍しい。そんな状況に運良く陥るといわゆるハマル。少し悲しい釣りでもある。ルアーフイッングなどのように明るい雰囲気もない。友達と連れ立って談笑しながらなどということは一度もしたことがない。つまりちょっと陰気なのかな。本人たちは明るいつもりなんだけど、どーもそうは見えないらしい。しかもほとんどの場合、キャッチ&リリースでせっかく苦労して釣った魚も逃がしてしまう。しかもしっかりとエラに空気を入れてあげながら。やはり変人の釣りでしょ。……ということで、前置きが長くなったんだけど、このHPはFFの裏口入学を伝授するページ。FFをやりたい貧乏でへそ曲がりな人′けの講座デス。きちんとまともにフライフィッシングをしたいお金持ちの人は、せせら笑っていただければOK。では。◆なにを買うか?◆ ●FFは道具がとにかく多い。最低限なにがいるか? モノの本によると……@ロッドAラインBリーダーCティペットDフライEフライベストFウェーダー…となる。これはめんどくさい。なにかもよくわからん。そこで釣具屋さんで、セットを買ってしまいましょ。@からDまでセットになったものが、大きめの釣具チェーン店で売っている(宣伝はしたくないが、釣具の上州屋なんか)。売値が9800円〜19800円ぐらいのもので結構。番手は(ラインの番手でロッドの番手が決まる)#3〜#5(3番から5番という)のもので大丈夫。2本継ぎでも5本継ぎでもよい。うまくすると『Coatac』製(ここの製品は丈夫で長持ち)などが買える。モノによってはビデオとか解説書までついている。「これはラッキー!」と軽い気持ちで買ってしまう。Eのベストも「じゃ、フィッシングベストも安っすいのでいいでしょ」と1980円のを買うのはダメ。ここは見栄を張りまマス。丈の短い(湖なんかで使う)タイプで、『FoxFair』とか『ORVIS』なんかがおどしが利いてよい。もちろん色はベージュ系。間違っても派手なブルーなどは買ってはダメ。なぜ、ベストに見栄をはるかといういうと、FFマンというのはベストでその人の力量を見るといっても過言ではない。できれば「こいつできるかも」と見られるほうが得なのである(これはフィールド編で解説する)。Fウェーダーは、いわゆる魚屋の胸までの長靴のようなもの(正式にはなんというのでしょ?)のこと。できればウェーディングシューズとストッキング型のウェーダーの方が見栄が張れるのだが、ここは一体型でも、薄手のモノでもよい。メーカーなどは問わない。渓流だけなら、左右の足の付け根までのチェストハイ型でもいい。これなら1万円以下で買える!以上で一応フィールドへ行ける。ただし、セットになったフライではまずどんなにがんばっても釣れないはず。なので、フライは別に買う。 ★フライは迷わず「エルク・ヘア・カディス」である!カディスはトビゲラの成虫のこと。サイズは#14〜#16。すでに巻いてある完成品を買う。このフライは経験上万能のドライフライである。これで万全! 道具だけの出費は全部で2万円〜3万円で済むはずだ。ラインとリーダー、ティペットなどのセッティングはたぶんセットになっているものの中にある解説書に書かれてあるはず、そのとおりに結んでいけばできあがる。★あと、「爪切り」を用意する。これは爪を切るためである。マナーとして……ウソである。ティペットの結び換えやフライを結ぶときに使用する。専用のハサミなどもあるが、爪きりが使いやすい。★もうひとつあるといいのが、「偏向メガネ」。水面の反射がなくなり、水の中が見えるメガネだ。これは魚がいるかどうかを見るときや、魚がフライを狙って出てくるところなどが見える。まあ、釣れなくても魚が見えただけでも気分はよいものである。 ◆準備編◆ ●道具を買って、ラインなどもリールに巻き、ロッドも組み立て、フライも結べるようになると、フィールドに出たくなるのだが、ここは一度はロッドを振る(キャスティングという)練習を一度はしておく。そこで、公園など広い場所へ行く。@できれば芝生の上がいい、ラインとリーダーを結んだもの(つまりティペットとフライは外す)をテキトーにガイドに通して、ライン部分を出す。そして、おもむろにロッドを前後に振ってみる。Aするとスルスルとラインが出て行く感じがわかるはず。Bロッドをさらにどんどんと振ると一定のところまでくると前後に振ることができなくなるはず。Cそのラインの出た位置を確認しておく。マジックで印をつけてもよい。 で、とりあえずなにがなんでもフィールドへ行きたいというひとは、この現時点での自分の力量で勝負することは可能だ。もっと練習がしたいというひとは、解説本などを買っていろんなキャスティングを会得してみる。Dそのマジックで印をつけたところまでは正確にキャストして、いつも同じ場所に、ティペットの先が芝生に落ちるようになれば万全である。たとえそれが数メートル先でもよい。これで、フィールドへ行ってしまうのだ!◆いざ、フィールド編◆●ではフィールドへ。でもどこへ行くか?★一度でも魚を釣りたいという人は、FFができる管理釣り場へ行く。できれば会社を休んで平日に行きたいもの(1日ぐらい問題なし、有給休暇をとる)。FFが有名な管理釣り場(鹿留…なんとかというところなど)などへ行ってはダメだ。そうした管理釣り場は、それなりの腕前のFFマンがいたりして、どんどん釣れたりする。それを見つづけてなんとも思わない人は行ってもいいが、少しでも「悔しい」と思う人はやめるべきである。不愉快なだけだ。だから、名もないオヤジがやっている管理釣り場がよい。川を分断しているような釣り場で十分である。なかなかドライフライ(エルク・ヘア・カディス)には食いつかないだろうが、「俺はキャストの練習にきてるんだ」という感じであくまでドライフライで釣る。1日やっているとなにかの拍子で、レインボートラウト(にじますのこと)が2、3匹釣れたりする。管理釣り場なのでキープしてもかまわないだろう。 ★本格的な川で。という人はとにかく、上流へ向かう。入漁券(遊漁券)が国内は北海道を除いてたいていの場合必要なので、必ず買っておく。できれば、その入漁券を購入した店で、どのあたりがいいか聞いてみる&Kず「FFなんだけど」を付け加えることを忘れずに。本当にいい場所を教えてくれることもあるので、コミュニケーションはとっておこう。ただし、アユの釣れる川は入漁券が比較的高価なので、そうした川は避けたほうがよい。なんとなく、風景がよくて、川がきれいなところを選ぶ。これはまず釣れないので、森林浴して気分のよいところという意味あいもある。もし間違って、なんかの拍子に釣れたら、写真などを撮っておき、「初めての一匹」ということでHPを立ち上げてもよい。実践では意外に、公園でやったキャスティングが使えることがわかるはず。数メートルでも正確なキャストの方が意味があるのだ。それは釣れる釣れないではなくて、岸辺の木の枝や草に引っかからないことがどれだけ気持ちいいことか。 ★もし渓流で一匹でも釣りたかったら、平日の火曜日〜金曜日までの早朝フィールドへ出かけること。そして静かに行動すること。ヤマメの川なら素早く合わせること。イワナの川ならしつこく攻めること。 ★テキトーに川で釣りたいというひとは、中流域でよい。ここではトラウトに出会うことはまずない。釣れるのはハヤとかウグイのたぐいである。ウグイはエルク・ヘア・カディスに飛びついてくるはず。いやというほど釣れる。だが、ヌルヌルする魚なので、すぐにフライはダメになる。だが、なんとなくモヤモヤがなくなるので、たまにはよい釣りになるはずだ。ただし、周りの人は変な釣り人であると思われるので、注意が必要である。 ★湖での釣りは、初心者にはやや荷が重い。たいていのFFマンは長いロッドにでかいフライを使う。さすがにカディスが使える時期は短い。でも短く柔らかいロッドでも十分に釣ることはできる。ただし、ほかのFFマンがいる場合は、かなりの視線を浴びるだろう。それにも耐えられる風格を備えている人にはお勧めである。遠投すれば釣れるということはないからだ。意外にも岸に近い場所にトラウトはいる。一度釣れてしまうと、そのフィールドでは「できるやつ」として受け入れられるはずである。 ★海での釣りは、特殊である。漁港などの岸壁からでもFFはできる。ただし、フライはエビなどウェットタイプでないと、ドライフライではどんなにがんばっても釣れない。さらに道具はすぐに水洗いしないと確実にさびる。でも小魚でもFFで釣れると面白い。海に近い場所に住んでいるひとには、意外にお勧めのフィールドである。北海道ならアメマスが海岸から釣れる。これは初心者は無理であろう。9フィート以上の長さで、番手は8番以上。ダブルハンドが遠投できてよい。ただし、極寒の時期の釣りなので、防寒対策は完全にやらないと2投もしないうちに帰って風呂入って酒を飲まずにはいられなくなる。◆帰ってきてから◆●一応、道具を整理しながら、反省をする。なにがダメだったか、よかったか。それによって初心者を脱出するのである。フライタイイングをしたくなった人は、ビデオも本もカルチャー講座もあるので、勉強するのもいいだろう。だが、タイイングはお金がかかる、暇がいる、根気がいることをキモに命じておくこと。コツコツと楽しむにはいい趣味である。FFはハマルと一生モノの趣味である。そして飽きない。女房とは両極端にあるものである!(了)